病気やケガになった時、一番の心配は身体のことですが、同時にお金のことが心配になる人は少なくありません。
「医療費は貯蓄だけで足りるだろうか」
「仕事を休んだら収入が減って生活費に困るのではないだろうか」
とはいえ、お金の心配は、仲の良い友人や家族にも、なかなか話しにくいのではないでしょうか。
そんな時には、ぜひ、「医療とお金の相談ネット」を利用してみてください。
治療とお金の収支バランス
お金の心配は、つまるところ収入と支出のバランスです。
バランスが崩れたら治療どころか生活さえ…、などと考える前に、どんな支出と収入が考えられるのか、まずは整理してみましょう。
–支出–
〇医療費
病院やクリニックなど、医療機関に払うお金です。
検査や手術を控えている場合、あらかじめ「いくらくらいになりますか?」と聞けば大抵の場合、教えてくれます。医師に聞きそびれてしまったら、受付や会計でも大丈夫です。
また、保険診療であれば自己負担の上限があり、それ以上は払わなくてよい制度=高額療養費制度があります。上限額は、年齢と収入によって決まります。
〇医療にまつわる支出
直接の医療費ではなくても、かかりがちな費用があります。
体調が思わしくなければ、通院の際にタクシーを使うこともあるかもしれません。また、食事を作る元気がなくてテイクアウトを利用することも。
辛い時に無理は禁物です。このような費用は、少し余裕をもって考えておきたいですね。
〇生活費
基本の生活費はいつもどおりの金額かもしれませんが、たとえばレジャー費などは減るのではないでしょうか。
治療をすることで減る支出がないか、考えてみましょう。
一方、変わらない支出もあります。住宅ローンや家賃、携帯電話料金、保険料など、支払い忘れをしてはいけない優先度の高い支出も洗い出しておくと安心です。
–収入—
〇給料
会社員や公務員であれば、仕事を休んでも収入はある程度確保できます。
まずは有給休暇を使いましょう。これなら、お給料は減らないので安心です。ただし、全部使い切らないことをお勧めします。治療がひと段落しても、通院のために休まなくてはならないことがありますので。
〇傷病手当金
会社員や公務員で、健康保険が社保の人は、病気やケガの療養のために4日以上休むと、4日目からは傷病手当金が受け取れます。
金額は、給料の約3分の2です。
〇医療保険・生命保険
民間の、○○生命などの保険に加入していたら給付金が受け取れるかもしれません。
医療保険は、主に入院、手術が給付の対象です。保障の対象に、ケガや特定の治療の場合の通院にも給付金がでる保険もあります。
保険証券が見つからなくても、保険会社のカスタマーサービスなどに電話して確認できます。
ただし、確認できるのは契約者のみです。
〇貯蓄
毎月の収入から貯蓄しているお金があれば、今こそ使うときかもしれません。
〇お見舞い
家族などから費用や家事の援助をいただけるのであれば、大変ありがたいですね。
収支のバランスはひとそれぞれ
これらの支出や収入は、ひとりひとり異なります。
医療費は、病気やケガの状態によって、たとえ同じ病名であっても違いがある場合も珍しくありません。
生活費や、その優先順位もまた、家庭の事情により大きく異なるでしょう。
収入もまた同様です。
公的な制度を活用すれば、経済的な負担がかなり減らせることもあります。
日本では、公的制度は自分で申請しなければ利用できません。
つまり、情報がないと損をするかもしれないということ。まずは適切な情報を集めるところからスタートしてはいかがでしょうか。